2015/02/27
千葉大学医学部 耳鼻咽喉・頭頚部外科教授 岡本美孝先生の講演
「小児花粉症の最近の知見~舌下免疫療法を含めて~」に参加いたしました。
小児花粉症に限らず,花粉症全般、さらに舌下免疫療法の知見を
ご講演くださいました。
内容の一部を紹介します。
即時型アレルギーの典型と考えられている花粉症ですが、花粉飛散室内での曝露では、
即時型反応のみでなく、退出後も遅延型反応と考えられる鼻症状が続いたとのことでした。
花粉曝露6時間後の鼻汁中のロイコトリエン、ECP、ヒスタミン等のメディエーター、
IL-4やIL-5等のサイトカインも上昇していたとのことです。
単回の花粉曝露でも、症状は即時型反応のみでなく、長時間にわたり
持続・継続することは治療目標を定める観点から重要です。
花粉飛散時期の「花粉量」と「症状」の相関の検討も紹介されました。
花粉飛散初期では花粉量が増えるに比例し、症状も悪化します。
飛散中期では花粉量にかかわらず症状が強く持続するとのことです。
すなわち飛散中期では花粉飛散量が一時的に減少しても症状は和らぐことなく持続することがあります。
舌下免疫療法は、この中期の症状を抑制することに作用を発揮します。
当院でも、先週より花粉症の患者さんが急に増えています。
日中のみならず夜間の症状の変化、花粉飛散ピーク時の症状の推移を
うかがいながら診療をすすめてまいります。