2015/02/09
広島市南区地域保健対策協議会の「医療安全・院内感染対策研修会」
に参加いたしました。
院内感染対策研修会として広島大学病院感染症科の繁本憲文先生、
医療安全研修として広島大学日山亨先生の講演がありました。
広島大学病院 感染症科の繁本憲文先生は「海外における感染症と予防法」
の御講演名でのお話しでした。
繁本先生は、広島県医師会から発行されているリーフレット
「知っておきたい予防できる海外での感染症」の執筆者です。
今回はその内容に則し、A型肝炎、腸チフス、狂犬病、破傷風、黄熱病、
マラリアなどの感染症をわかりやすくお話し下さいました。
さらにデング熱や、エボラウイルス病など、話題の感染症にも言及されました。
当院でも、昨年、デング熱が話題になった際には、東京より帰広した方が
発熱と発疹を訴えられ、「デング熱」が心配で受診されることがありました
(幸い「デング熱」とは異なる皮膚症状でした)。
デング熱は、日本ではヒトスジシマカが媒介し、蚊に刺された4~7日後、
急な発熱で発症し、関節痛を伴います。
30~50%程度の患者さんには播種状の丘疹や紅斑が見られます。
びまん性の紅斑や、紫斑も見られます。
びまん性紅斑の所々に健常皮膚がのこる‘islands of white’も特徴的な所見です。
またTourniquet テストといわれる、患者さんの上腕を駆血帯で圧迫し点状出血が
現れることが診断上、重要な所見です。
収縮期と拡張期血圧の中間程度の圧で5分間圧迫し6.25cm2あたり20個以上の
点状出血が現れると陽性です。
本年夏の蚊の活動時期には注意しておきたい疾患です。
参考
「知っておきたい予防できる海外での感染症」 広島県医師会
Wilder-Smith A et al: Dengue in travelers. N Engl J Med. 2005; 353: 924-32