2016/08/03
酒さと心血管疾患との関連についての報告を紹介します。
(Alexander Egeberg, Louise E. Bruun, Lotus Mallbris, Gunnar H. Gislason,
Lone Skov, Jashin J. Wu, Peter R. Hansen.
Assessment of the risk of cardiovascular disease
in patients with rosacea. J Am Acad Dermatol 2016; 75: 336-9.)
近年、酒さと脂質異常症、高血圧症、アルコール消費量、喫煙などの心血管障害の
リスクファクターや冠動脈疾患が関連あるのではないかと報告されています。
しかしながら心筋梗塞や、虚血性・出血性の脳卒中、心血管死亡、
主要な心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中・心血管死亡その他の心血管イベントなどの複合)、
全死因死亡と、酒さと関連あるかは不明です。
今回デンマークからの報告です。
1997年から2012年まで4,948例の酒さの患者さんと23,823例の
コントロールの方々で統計学的な検討を行っています。
罹患率比(括弧内は95%信頼区間)は以下の通りでした。
心筋梗塞:0.75(0.57-1.00)
虚血性脳卒中:1.01(0.61-1.67)
出血性脳卒中:0.99(0.80-1.24)
心血管死亡:0.99(0.86-1015)
全死因死亡:0.95(0.85-1.06)
以上より、「心血管有害事象発症やそれによる死亡のリスク上昇」と「酒さ」と関連性は否定的でした。
但し今回の報告はデンマーク内での報告であること、酒さのタイプ、
重症度の関連は検討されていないことから、他国での報告や酒さの臨床型との関連の検討が望まれます。