2015/04/06
ニッケルに対する金属アレルギーを持つ患者さんが、
復活祭のeaster eggとして使用されているチョコレートを摂食し、皮膚炎が悪化した例が
「Easter Egg Hunt Dermatitis」として報告されています。
その論文の紹介です。
アトピー性皮膚炎の患者さんはアレルギー性接触皮膚炎を
起こしやすいことが知られています。
成人に限らず、小児のアトピー性皮膚炎患者さんでも同様で、
海外の報告では小児アトピー性皮膚炎患者さんの34.0%がパッチテストで
何らかの陽性を示すと報告されています。
金属アレルギーでは、金属を多く含有する食物を摂取し、
全身型接触皮膚炎が生じることや罹患している皮膚疾患が悪化することがあります。
今回、ニッケルアレルギーの小児アトピー性皮膚炎患者さん4例(4歳から7歳)の報告です。
パッチテストでニッケルに対するアレルギー反応が証明されており、
ニッケルを多く含有するチョコレートやピーナツバターの摂取を制限していました。
ところが復活祭でeaster egg として提供されたチョコレートを、
ご家族の目の届かない場で食してしまい、その後、皮膚炎症状が悪化しました。
それらの症例を「Easter Egg Hunt Dermatitis」として報告しています。
(Jacob SE et al. Easter egg hunt dermatitis: systemic allergic contact
dermatitis associated with chocolate ingestion. Pediatr Dermatol 32;
231-3; 2015)
お子さんではいくら気を配っていても原因アレルゲンに曝露される場合があります。
ご家族及び患者さんへの注意喚起が重要です。
日本ではバレンタインの後などに注意が必要でしょう。