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「帯状疱疹後神経痛」講演会参加

日本臨床皮膚科医会広島県支部2月例会に参加いたしました。

特別講演は愛知医科大学皮膚科学講座主任教授 渡辺大輔先生の
「ZAP治療薬のポジショニングを考える」でした 。

「帯状疱疹関連神経痛(ZAP: Zoster Associated Pain)」のお話しでした。

侵害受容性疼痛が主体である「急性期の疼痛」と神経障害性疼痛である
「帯状疱疹後神経痛」に大きく分けてその病態と対処を講演されました。
その一部を紹介します。

「帯状疱疹関連神経痛」の経過については福岡大学今福教授の論文を
ご提示されました。
帯状疱疹治療後、約半数の患者さんは21日で疼痛が消失しますが、
90日経過してもなお12.4%の患者さんに痛みが残っているとのことでした。

「帯状疱疹後神経痛」は3カ月以上残る痛みと定義され、
年齢とともにその頻度は増します。
神経障害性疼痛であるために、自発性・発作性疼痛、
アロディニアであることが特徴です。
帯状疱疹後神経痛発生のリスクファクターとして高齢者、免疫抑制患者、
重症の皮疹を有する方などが一般に知られています。
上記以外のリスクファクターとして
●皮疹部の知覚低下
●アロディニア
●精神的な不安定性
を挙げておられました。

「急性期の疼痛」の管理目標として
●早く痛みをとる
●痛み記憶を残さない
を挙げられました。

「帯状疱疹後神経痛の治療」として 三環系抗うつ薬(アミトリプチンなど)、
プレガバリン、トラマドール/アセトアミノフェン合剤等を詳説くださいました。

日常生活では
●病変部をガーゼ等でおおう
●病変部を温める
●疼痛治療の目標を定める
●診察時には痛みの程度を確認する
●痛みにとらわれない生活を送る
などの工夫で疼痛を軽減させることができる、と結ばれました。

帯状疱疹は頻度の高い疾患であり、それに伴う帯状疱疹関連神経痛は患者さんの
生活の質を低下させます。

当院でも早期より疼痛治療を併用しております。
また神経ブロック等特殊な処置が必要な場合には積極的に
近隣のペインコントロール(麻酔科外来)等へ紹介させていただきます。

参考文献
S. Imafuku et al. One-year follow-up of zoster-associated pain
in 764 immunocompetent patients with acute herpes zoster treated
with famciclovir (FAMILIAR study). J Eur Acad Dermatol Venereol. 2014:1716-22

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