2015/01/26
Clinics in Dermatologyに掲載された論文
「Red face revisited: Flushing 」の紹介
Part 2です。
顔面潮紅(ほてり:flushingあるいはhot flush)の原因の多くを
占める「閉経後ほてり」についてです。
「閉経後のほてり」について閉経後の女性の50~85%にほてり症状が見られます。
ストレスや急な温度変化、アルコールやカフェイン、
温かい飲み物の摂取等で誘発されます。
症状の継続時間の平均は3分~5分で、その頻度は様々です。
夜間に発作が起こると不眠に陥ることもあります。
詳細な原因は不明ですが、ホルモンの変化や体温調節機能の
異常が関与しているといわれています。
症状が軽度の場合には、アルコール、カフェイン、辛い食物を避ける、
適度な運動、呼吸法を整えること等が発作を減らすことに有用です。
臨床的なトライアルではガバペンチンの有用性が示され、
クロニジンも発作の軽減に有効とされていますが、口渇、不眠等の
副作用の出現に留意する必要があります(いずれも日本では適応外)
(Clinics in Dermatology 2014; 32: 800-808)
顔面のほてりは日常よく見かける疾患です。
原因を正しく診断することが重要であり、詳細な問診や皮膚所見を評価し、
酒さあるいは閉経後状態を考え、血圧上昇やそのほかの全身症状を
伴う場合には腫瘍性疾患の可能性も考慮する必要があります。
以前より皮膚科の学会等では「酒さ」を正しく診断することの重要性が叫ばれています。
当院でも「ほてり」を訴えられる患者さんには、
正しい診断のため皮膚所見を十分に観察させていただきます。