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「Red face revisited: Flushing」①

Clinics in Dermatologyに掲載された論文を紹介します。

「Red face revisited: Flushing 」

顔面潮紅(ほてり:flushingあるいはhot flush)について
皮膚科観点からのreviewです。

Flushingは「明らかな発赤を伴う皮膚ほてり感」と定義されています。
体温上昇刺激に対する体温調節反応の一つとみなされ、
一過性に血管が拡張し、皮膚の血流が増加するためにおこります。

一般的な原因として
① 発熱
② Benign cutaneous flushing
(感情的な乱れ、恥ずかしさ、食事、アルコール摂取、運動)
③ 酒さ
④ 閉経後ほてり
が挙げられています。

稀な原因として
① カルチノイド症候群
② 褐色細胞腫
③ 肥満細胞腫症
④ アナフィラキシー

そのほか、甲状腺の髄様がん、膵臓のVIPoma、腎細胞がん、神経疾患、薬剤等が
挙げられています。

論文中ではそれぞれの原因に基づいて述べられています。

今回は特に皮膚科を受診されることが多い「酒さによるほてり」と
「閉経後ほてり」を詳記します。

顔面潮紅(ほてり)の原因として頻度の高い「酒さ」は増悪寛解を
繰り返しながら次第に進行する疾患です。
原因は不明ですが、遺伝的、環境的要因、血管異常、真皮基質の変性、
毛包虫やヘリコバクター感染などとの関連が示唆されています。

診断には皮膚所見の評価による患者さんに合わせた診断が重要です。
10分以上継続する一過性の紅斑(いわゆるほてり)、
3カ月以上継続する紅斑(眼囲を避けるように分布)、丘疹、膿胞、血管拡張等の
一つあるいはいくつかが顔面の皮膚突出部に見られることで診断します。
他に灼熱感や刺激感、浮腫、局面、乾燥、眼症状、鼻瘤も見られます。
熱い飲み物やアルコール、温度変化等でほてりがおこることも診断の参考になります。

治療では、治癒することより、症状をコントロールすることを目指します。
まずは悪化因子の除去と遮光が必要です。
外用剤はメトロニダゾール、アゼライン酸、sodium sulfacetamideが
FDAでは推奨されています(日本では未承認)。
内服はテトラサイクリン、エリスロマイシン、メトロニダゾール(日本では適応外)
を使用します。

→「閉経後ほてり」はPart2(「Red face revisited: Flushing」②)に続きます 。

(Clinics in Dermatology 2014; 32: 800-808)