2016/10/08
上記研究会に参加いたしました。
一般講演では
しらお小児科・アレルギー科クリニック白尾謙一郎先生が
「舌下免疫療法の使用経験」をお話し下さいました。
クリニックでシダトレンを投与された患者さんへの
アンケートのまとめを紹介されました。
比較的早期から効果がえられているとのことでした。
特別講演では
日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野教授
大久保公裕先生が「アレルゲン免疫療法の現状と将来」と
題して講演くださいました。
抗原に曝露された際の生体側の反応の多様性と、
反応が起こる臓器を考えることが、
免疫療法を行う際に重要であることをお話しされました。
シダトレンを使った免疫療法で生体に投与される抗原量は、
自然界あるいは花粉飛散時期に曝露される抗原量に比較すると数千倍ほど多量です。
日常生活、花粉飛散時期の低い抗原量の曝露では
Th2を介した反応が惹起され、IgEが上昇すると考えられます。
一方免疫療法では、多量の抗原量に曝露され、
Treg, Th1を介した反応が起こり、IgGが上昇します。
この免疫変換が免疫療法の機序の一つです。
スギ花粉症では抗原が最初に曝露される部位は
鼻咽頭粘膜、口腔粘膜、喉頭であり、
頸部リンパ節を介し反応が起こります。
舌下免疫療法で舌下の粘膜より頸部リンパを介して
反応が生じることがその効果を発揮するために重要です。
アレルゲン免疫療法を行う際に考えておくべき病態について勉強になりました。
有難うございました。