2016/02/18
2016年2月17日に広島皮膚科医会で行われた特別講演に参加いたしました。
東北大学大学院医学系研究科機能薬理学分野教授の谷内一彦先生の
ご講演「光学異性からみた抗ヒスタミン薬」を拝聴いたしました。
今回のお話の内容は
●Daleが発見したヒスタミンの歴史
●ヒスタミンの主な産生細胞はmast cell,
胃ECL(endchromaffine-like)細胞、ニューロン
●ヒスタミン受容体はH1~H4までの4種類で、
H1~H3は神経系への発現が多く、
H4は好酸球や肥満細胞での発現が目立つ。
●ヒスタミン神経系の局在―視床下部後部に存在し、認知機能、
睡眠と覚醒に関連。
ヒスタミン神経を活性化せせることで日中の活動性が増す。
●抗ヒスタミン薬により脳内のヒスタミン活動を抑制させたくない。
そのために第二世代の抗ヒスタミン薬は
ヒスタミン受容体遮断作用のある薬に
カルボキシル基あるいはアミノキシル基を導入したものが多い。
それによりH1受容体の結合性を保ったまま
脳内への移行性を低下させる。
(ドキソピンにカルボキシル基を導入してオロパタジン、
ヒドロキシジンの代謝産物がセチリジン、
アザタジンにカルボキシル基を導入させたものがロラタジンなど)
●抗ヒスタミン剤のプロドラッグは単剤投与が望ましい。
等でした。
神経系におけるヒスタミンの役割、抗ヒスタミン剤の薬理作用について勉強になりました。
有難うございました。