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「Alopecia: Kids are not just little people」

脱毛をきたす疾患について小児と成人の違いを主に論じた論文を紹介します。

Goldberg LJ, Castelo-Soccio LA.
Alopecia: Kids are not just little people.
Clin Dermatol. 2015; 33 : 622-30.

Diffuse, non scarring alopeciaの原因として成人では男性型脱毛、
小児では頭部白癬、休止期脱毛が多いとされています。

Patchy alopeciaの原因としては 成人では円形脱毛症、トリコチロマニア、
頭部白癬、小児も同様に左記3つの疾患が多くを占めます。
新生児では生後2~3カ月程度で臥位による圧迫の影響で後頭部などに脱毛が
起きることがあります。
頭部白癬、トリコチロマニアはいずれも円形脱毛症との鑑別が重要です。

頭部白癬は表面に紅斑や落屑などの炎症があります。
リンパ節腫脹を伴う場合もあります。

トリコチロマニアでは多発性の脱毛を呈し、前頭、側頭部に病変が生じます。
引きちぎられたような毛髪、種々の長さの毛髪が見られる、
が円形脱毛症との鑑別に有用です。
上眼瞼に脱毛病変を伴うこともあります。

検査は成人、小児とも真菌検査、ダーモスコピーを使った毛髪、頭皮の検査、
抜毛した毛髪の顕微鏡的な検査を行います。
血液学的には必要により貧血の有無、甲状腺異常の有無、糖尿病合併の有無を検索します。

小児で多くみられる休止期脱毛は自然改善が期待できます。
一方、円形脱毛症は成人より小児は予後がわるい(改善がないことがある)
ことが知られています。

当院でも上記検査を行い、脱毛症の適切な診断を行い、今後の見通しをお話できるように努めています。