2015/06/05
アレルギー学会に参加いたしました。
国立成育医療研究センターの大矢幸弘先生のご講演では、同施設で行われた保湿剤外用で
アトピー性皮膚炎の発症を予防できるかとの前向き介入試験の結果を紹介くださいました。
アトピー性皮膚炎の家族歴のある生後1週間の新生児を対象に1日1回保湿剤を
外用するスキンケア介入群と、必要に応じてのみしかワセリンを外用しない非介入群に
わけ生後32週でのアトピー性皮膚炎の発症の有無を検討されました。
保湿剤を外用していた群が、非介入群と比較し、
生後32週では有意差を持ってアトピー性皮膚炎の発症は低率でした。
幼小児期の保湿剤によるスキンケアがアトピー性皮膚炎の発症に
かかわることを示した重要な論文です。
この結果からも幼小児期から、正しく保湿剤を外用しておくことは
アトピー性皮膚炎の発症を防ぐ点からも大切です。
参考)
Horimukai K et al: Application of moisturizer to neonates prevents
development of atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 134:
824-830, 2014